あのcongiroが、酒と旅と○○を大いに語る!ブログ!

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米の極 濃醇純米:場末中華と失敗燗で合わせたら映えそう


岐阜県各務原市の菊川株式会社の造る日本酒ですな。


これ、買ったの3年前で、思い出した時にちょびちょび飲んでたんだけど、そろそろレビューしてもエエかね〜ってことで。
ところでこれなんだけど、数年前に友人と旅行に行った時に名古屋のDSで1000円で売られていたのですよ。
定価はよく分からないんだけど、セレクト系酒屋ではなくDSとかで見られるんで、恐らくは1000〜1300円くらいで売られてるモノみたい。
あまり期待するもんでもないのだけど、1000円で堂々と純米酒って書いてあるのあんま見ないし、なんとなくつい手に取った次第でございます。



1600〜2000円レベルの安純米はかなり試したので、こいつもご多分に漏れずそれらよりスカスカなんだろうと思いつつ飲んでみる。

あれ?
意外と悪くない。味はある。
飲む喜びみたいなのはそこまで無いけど、まずい系や合わない系にある飲む苦痛も無いぞ。
値段知って飲む分には全然アリの部類だろ。
『濃醇純米』とのことだけど、濃いわけではない。かといって薄いわけでもないけど。
ガラス玉で例えるなら、濃厚な酒ってのはガラス玉自体が濃い色なんだけど、こいつの場合は薄い色のガラス玉の外側を濃い色でコーティングしてる的な意味の濃さ。
ぶっちゃけていうと『深みが無い』になっちまうんだろうけどな。


考えられたバランスみたいなものも特には無いけど意外と飲める。
「おいしー!」ってのでもなくて、「意外と飲めんじゃない!?」みたいな感じ。
安純米のエクスキューズとして『淡麗』という言葉を使った淡麗でもないただスカスカの酒や、値段を下げるために加水を繰り返して水っぽくなったカス酒に比べりゃ、安純米のフォーマットとしてはそれなりの意義を感じる。
なんだろうか、堂々としているというか開き直った感と言ったらいいかな?
今も売ってるのかはしらんけど、これが1000円ポッチならまぁいいんじゃないですかね?
小手先感はあるけども、この値段だったら十分の出来だろう。
なんと言いますかね、うまい酒ってのは色んな味の要素が絡まりあってひとつの方向性を目指すんですよ。同じ志を持った者が特定の目的のために突き進むイメージ。
この酒は例えれば、なんとなく目的地が近い者同士がたまたま一緒に行動してただけっていう、なんつーか呉越同舟感があるんよね。



んで、3年経ったいまはどうなっているかというとですね。

濃いというか。深くは無いが濃い。
上っ面の濃さがある。濃厚ではない。チョコっぽさが出てきている。古酒っぽさはかなり出てる。
熟成甘チョコに古びたタクアンくぐらせたような風味っつーかな。
割りに薄い印象とアルコール感がなんとなくのカバーをしている。
だけど飲み干したあと口に残る香りはあまりよろしくない。
しかし、しかしだ!
完全燗冷めだと酸味が強調されてマイナス要素がマスクされた。笑える。
「ガブガブ飲むけど薄いのはヤダ!」っていうオッサンと俺みたいな実験野郎には向いてるのかも知れんね。
更に数年の時を経させて変テコな古酒にでもさせてみようかな〜と思う所存でございます。
しかし、これ1000円って言っても誰も分からんのじゃないかね?
前述のように各要素の結びつきはそんなでもないけど、これは十分アリでしょう。
でも古酒耐性皆無の人からは「マズイ!」で両断されそうな気もするけど。
温度設定忘れてレンチンされ沸騰してしまったコイツを場末中華の山椒かけ過ぎた麻婆豆腐に合わせてヤるとすごくマッチしそうな感じはするw



【スペック】
原料米:?
酵母:?
精米歩合:70%
日本酒度:+1.5
酸度:1.7
アルコール度:15〜16%


【評価】
25/40点満点中
この値段なのに美味い要素もちょっとあります。
満点を40点に設定するなら25点くらいは取れてるんじゃないでしょうかね〜。
御大系的な熟成派は絶対買っちゃダメだと思うけど、自虐系古酒派は遊びで買ってもいいと思う。
ただ、「1300円以下で1800mlの純米酒探して来い!」みたいな鬼条件突きつけられたら俺は迷わず菊正宗選ぶけどな。



ところでこれ、何も情報を与えずにワイフに飲ませてみた。
「何これ混ぜ混ぜ?いや、不味くはないよ?飲める。クピクピは飲めないけど。」
だってさw
合ってるよ!ハハッ!