あのcongiroが、酒と旅と○○を大いに語る!ブログ!

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あのcongiroが供養したくなる酒を大いに語る&『酒供養の会』雑感

これは先日の『酒供養の会』で参加者の皆さんが持ってきた酒ーズです。
それぞれの概念において供養する酒を持ってきてもらったので、俺が持っていったような「これはとても飲めねぇよ!」とか「わざわざこれを飲む必要はないのでは?」みたいな酒はまぁほとんど無かったですね。
ほとんど無いとは言ってもあるにはあったしそれらにはめちゃ笑ったけど。

では、『酒供養の会』の雑感とか色々書いときます。

 

【1.酒供養の会の雑感】

いや~、良かったですね。
それそれが考える供養したい酒、それが人によって定義が違いますからね。
参加者の思想に触れるという意味でも持ち寄り会ならではの意義を大いに感じました。やっぱ持ち寄り会はやはりそれぞれのパーソナリティーが出る題材が良いですからね。
そういうイベントばかり開催するのはさすがのcongiroさんと言わざるを得ない部分はありますね。どうしても。

で、どういう酒が集まったのか~?ですが、イベント速報でも書いたとおりですが以下のような感じでした。

・自分は好きだけど苦手な人いそう
・自分は苦手だけど好きな人いそう
(↑これがほとんど)
・放置してたら味が抜けてしまった
・調味・香り付け目的のもので個人宅では全然減らない
・間違って買った

俺が持っていったような「とても飲めない」とか「飲む意義がない」という酒はほとんど無かったですね。ちょっとだけあったけどもw
んで、「自分は好きだけど苦手な人いそう」「自分は苦手だけど好きな人いそう」はよくわかるんですよね。クセのある酒はどうしてもそういう要素ありますからね。だからこそそういう酒は熱烈なファンもいたりするわけですが。
あと「調味・香り付け目的のもので個人宅では全然減らない」ってのを供養酒として持ってこられたのが興味深かったですね。
どれかというとこれです↓

これね、見ての通りの味で、そのまま飲むものではなくてアイスクリームにかけたり、ワンポイントで使うやつですね。美味いんすけど普通に飲むには濃すぎる。これが飲食店が所有している酒だとしたらなにかしら使い切れるんですけども、個人宅だとなかなか無くならないですからね。「美味しいけど供養」という概念が存在するんだなってのは自分に無い視点だったので良かったです。

まぁそれでも、俺以外の「とても飲めない」と「飲む意義がない」が数少ないながらもあったのがメチャ良かったです。良くないのに良かったです!w
なんか同時開催の大吟醸・純米大吟醸の方にも供養級があったの笑えました。

 

【2.供養される酒のパターンについて】

■美味しい場合
・単純に好みの方向性ではない
・なかなか減らない系

美味しいけど好みの方向性ではないというのは『特定のアイドルを見て可愛いという認識はできるけど別に好みではない』みたいなものである。これは慣れたら好きになれる可能性はあるけど実のところ難しい。俺はキラキラした酒はどんなに飲んでももはや好きになれない。違う人種の美を見ている感覚にも近い。

■美味しくない場合
・劣化している/ピークアウトした
・薄い
・バランスを欠いている
・美味いと認識されていない要素が含まれている

『劣化している/ピークアウトした』と『薄い』これらに関しては、「飲む理由がない」に属しているので特に語らない。
『バランスを欠いている』これは美味しくない酒の場合は多いのだけど、バランスを欠きながらも要所だけ特化したものの中にはハマるようなものがあったりする。
『美味いと認識されていない要素が含まれている』まぁこのような酒はだいたい強烈にマズいことが多いのだけど、これは認識次第で美味しいに転化する可能性がある。

 

【3.よくない意味、美味しくなくて供養される酒の意義とは?】

『劣化している/ピークアウトした』と『薄い』に関しては特に意義はない。
「ダメになっちゃったね!ハハッ!」で済ませるしかない。
しかし、『バランスを欠いている』『美味いと認識されていない要素が含まれている』に関しては、人によって美味い場合がある。
今回のイベントはただ「失敗した酒を笑って済まそう!」くらいの意味合いであるが、『バランスを欠いている』『美味いと認識されていない要素が含まれている』側で新たな出会いがないかな?ともちょっと期待していた。そしたらやっぱりあった。

俺はかつて古酒を飲めなかった。酸度が高すぎる酒も飲めなかったし火落ちも飲めなかった。でもどっかのタイミングでスイッチが切り替わったように好きになった。
このイベントがあったから即好きになるということはないんだけど、パターンとして認識することで情報が蓄積され、どこかのタイミングでなにかが繋がり反転する…みたいなことはあるのかもしれん。このような反転の可能性がある場合、それの出会いを意図的に設けることには大きな意義があるような気がするけど…
気のせいかもしれんw

 

【4.供養酒に可能性はあるの?】

供養酒に可能性…それはわからないw
それを知ってたことで酒の変遷なり理解度が深まるとかその程度かも。まぁ「知らなくても良いけど、知っているとより楽しい」って程度ですね!でもまぁ一部のマニア以外には全く必要のない感覚ですな。
という前提の上でテキトーに語る…

俺が持っていった供養酒の感想だけど、ヤバいやつの2本のウチの1本について、俺自身は「海辺の忘れ去られた廃病院の床あるいはその床で干からびたウニ」と述べたんですよね。他の方は「フォールアウトのような廃墟感がある」って述べたんですよ。
あと1本の供養酒について、俺は「森の中にある名も無き木、木の要素でなく木そのもの、ウッディじゃなくてウッドそのもの」って述べたんですよ。そて他の方は「夏休みに帰ったおばあちゃんちを思い出す」って述べたんですよね。
それを喚起させる酒には何があるのか?
そう、『物語』ですよ!
外部の取って付けた物語ではなく、酒が生み出すストーリーですよ!
これでね俺がちょっと不思議に思ってることがあるんだけど、酒ってマズい物のほうが物語性があることないですか?存在しない記憶を呼び起こしてくれることないですか?
残念ながら美味い酒ではあんまり見られない現象だと思っとるんですよね。そしてこれは申し訳ないんですけど、國酒(日本酒と本格焼酎)が特にそうなんですよね。
海外の酒はマズい酒でよく見られる『物語』の要素が美味い酒にも含まれていることが結構あるんですよ。これはまた『雑味』とは違うのが難しいところでございます。
國酒(日本酒と本格焼酎)は特に、外付けの物語は存在することあっても、味に『物語』が存在することってあんまりない気がしている…というか、それはすなわち美味いのパターンが少ないということにつながるわけですけどね。美味い酒は傾向が似ているってことなんですよね。技術革新で色んな場所で美味い酒は造れるようになったのだけど、美味いのフォーマットが定まりすぎて色んな地域で造っていても地域性の多さを感じさせないというか。
まぁでもこれは良し悪しではないんだけどね。逆を言えばどこでも安定して美味い酒を飲めるということでもあるからね。

ちなみに安くて美味いワイン、例えばアルパカのようなワインには『物語』が存在しません。安いブレンデッドウイスキーにも『物語』が存在しません。
言い方を変えれば「”物語”要素を排除することでシンプルに”美味い”要素だけの酒を造ることができる」というのが正しいかと思います。
安価帯のものってだいたいそういうものと思いますね。RTDなんか正にそう。
だからこそ誰にでも受け入れやすく、『物語』派にとっては物足りないものとなっておるわけです。
まぁこういうのはね、アルコールに限らず食い物や他媒体でも頻繁にあることなんですけども。

 

ところでこれは俺がよくわからない酒を好んで買っている理由にもつながるんけど…
①マズいは(マズさの方向性によっては)気の知れた人たちで飲むと最高の媒体となることがある(ことがある)
②「美味いにはパターンはそんなに無い。今まで経験した”美味い”の何らかのフォーマットに則ったものである。ことに日本酒と焼酎ではそれは顕著である」
「マズいには無限のパターン(無限の可能性ではない)があり、それこそフォーマットが存在しない、経験していないものである場合がある(ことがある)」
こういうことがあるのです。

そんで②に関することで言えば、マズい方の『物語』はゲームチェンジをおこすきっかけになりうる可能性があるわけです。あくまで可能性でしかないけど。
物語ってのは感覚でなく言語です。
マズさが言語化された場合、認知の質が変わることで好みに転化することがある。そういう可能性がワンチャンあったりします。ワンチャンだからほぼ無いけどw
マズいのパターンはそれこそ無限にあるから、考え方を変えれば言語化できる物語が発生しうるマズい酒は、ゲームチェンジが起こる可能性が無くはないということです。
無くはないだけでほぼ無いですが!

だからマズい酒は…というかよくわからない酒はできるだけ飲むようにしておりますw

 

 

【5.蛇足、超蛇足】

たまにネット上の論調で「まずい酒は存在しない!それはあなたの理解が足りないか単に口に合わないだけだ!そういう発言はやめろ!」みたいなの見ることがある。
まぁこの理解足りない発言自体かなり失礼と思うんけど、そもそもが「口に合わない」ってのも失礼な発言には変わりないわけで。
それよりも逆に「マズい」の表現が詳細であるほど興味を引く場合があるんよね。
「口に合わない」はそれが伝わらないことが多い。
極端な例だとシュールストレミングとかサルミアッキとかそうでしょ?マズいで売れ続けているって本物ですよ?「飲み放題ででてくるような日本酒」「罰ゲームのテキーラ」って表現もマズいの言い換えだけど、だけど売れ続けているということは需要が存在しているわけですからね。需要があり続けるものは本物ですよ。
ていうか、マズいものはマズいだろ?
例えば酒造りしたことない俺がなんの修行もなく造った一発目の酒とか絶対飲めないと思うんだけど、テキトーな言葉で濁されるよりも、マズいって言ってもらったほうがフィードバックにもなるし関心持ってもらえると思うんよな。

でもね~、ちょっと難しいというか面白いことに、自分が気に食わない人や組織は割と良いものを造ること多いんですけど、マズい酒造ってるのって良い人率めちゃ高いんですよね~w 困った困った。