長きにわたる実験の場、ひおちんルームをいよいよ閉幕することにした。
ひおちんルームとは、火落ちさせることを目的とした密閉空間である。
この中に様々な酒を入れて長年実験していたのである。
「はたして、多くの文献や口伝が示すように火落ちはそんなに容易に起きるのであろうか?」ということを知りたかったからである。
この空間の中には入れ替わり立ち替わりでいろんな酒が入室することになったが、結果として得られたことは「そんなに簡単に落ちねーし、そもそも落ちねーやつはなにしようが落ちない」ということであった。
俺は基本、自分の目で見たこと以外はすべて懐疑的に見ているので、「ほんとにそんなに落ちるんかよ?」というのがスゲー気になっていたのだ。
まぁこれについては、似たような経験をお持ちの人も周りに幾人か居るので、情報を共有していたが、やはり経験者の叡智を結集しても「落ちるものしか落ちない」という結論に行き着きそうである。
あとはまぁ断言できないので詳しくは書かないが「〇〇が原因の一端になりやすい」みたいなのはあって、まぁ例外みたいなアレなので誤差ってことでいいか。仲間内のしかもごく一部でしか聞いたことないのでオカルトレベルかもしれん。
とにかくいろんな酒で実験していたので、その総本数は130本くらいになったんじゃないかな?ちなみにラベルが見えているやつは落ちてないやつだから安心してw
右は落ちてるやつ。奥は落ちてないやつ。
落ちてるものはルームに入れる前から落ちていたものである。
ルーム内は蓋を開けて不織布を被せていた。通気以外の汚染を避けるためである。
この中に火落ちした酒を加えたり、メバロン酸を入れたりしてルーム内で各酒を1年常温以上放置していたのである。生酒を比較的多く保管していたが落ちないものは落ちない。
これについてはまだまだ論文書けるくらい色々あるけど、論文とか書くマンではないので当然書かない。まぁとにかく「日本酒は容易に火落ちをするので云々~」は多くが現代にはそぐわない内容(つまり嘘)である。そしてそれが流布して日本酒の常識となっているのである。でも俺は体験で真実を知ったので、俺の中でそれが真実で有り続ければいいかなと。今の常識を覆したいとか一切思わない。めんどくせーし。
だからお前らにおかれましてはどっちの意見も「ふ~ん」くらいで聞き流しておけばいいと思うぞ。
名誉のひおちんシール(火落ちした酒に貼られるものである)
「〇〇してはいけない」みたいな酒界の常識っていろいろあるけど、その多くは文献・口伝のものであり俺に適用されるものではないので、タブーはできるだけ犯していきたい。そう熱く心に誓うcongiroさんでした。
余談:初めて見る人のために書いておくと、俺は火落ちした酒が大好きである。正直すげー美味い(とても飲めないってものもあるがw)。火落ちが不味くて飲めたもんじゃないという説も今の時代にはそぐわないアレだと思っている。
どういう酒質が火落ち向きなのかっていうのもだいたい分かっているので、向いてる酒が落ちたらすごく喜ぶのであった。
ゆうめし。
OKの安ペットワインが残り少なかったので月ブレンド。
甘みが加わってうまい。
しかしこのペットボトルはいいな。軽いし落ちても割れないし。
ガンガン広まって欲しい。日常系に瓶は不要だ。
柔らかいので冷蔵庫に押し込みやすいってのもすばらしいな。