あのcongiroが、酒と旅と○○を大いに語る!ブログ!

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日本酒の熟成が市民権を得ないという話

ツイッターより



これを見て俺もツイッターでだらだら持論かまそうと思ったけど色々めんどいのでここに書くことにした。




日本酒の熟成が市民権を得ない理由っていくつかあると思うけど、やはり売ってないからってのが一番デカい。そして「酒は古くなると酢になるor飲めなくなる」という言い伝えが世代問わず行き渡ってるのも結構デカい。


「古くなると酢になるor飲めなくなる」論を信じるものは買い手だけに留まらず、売り手にも結構多く居るし、意外なことに造り手にもそれなりにいる。もうこれを覆すことは無理なんじゃないかって実は思ってたりする。


それを覆す方法(日本酒の熟成に市民権を与える方法)って「古くなっても酢にはなりませんよ!飲めますよ!」って啓蒙ではないと思ってるのよね。それよりも新しいジャンルとして確立させるために新しい名称を与えることと思っとるわけです。熟成肉でいうところの『エイジドビーフ/エイジングビーフ』みたいなやつですよ。これはただ英語になっとるだけだけど、日本語耳で聞く限りは一つの名称・ジャンルと見て良い。


熟成肉ってのが割りと市民権を得たのは元々みんな肉が好きって前提があるし、そこに新たなジャンルとしての確立(名称とか調理法とか飲食店とか情報の流布がスムーズであった)ことが挙げられるんだけど、日本酒の場合って同じように捉えても上手く行かないんよね。別にみんな日本酒好きなわけじゃないし。


そして"熟成"ってのは状態を示しているだけにすぎないし、"古酒"なんて言い方もどうしたって泡盛とぶつかってしまって混乱を招く。"熟成日本酒"てのもどうも語感がよろしくない。そしたらやっぱり新しい名称を与えて別の展開をしなくてはいかんわけよ。「古くなっても飲めます!」ってのはプラスに伝わることはなくて、そうじゃなくて「時を経たことで美味しくなる酒があるって知ってますか?」という"全く別物"としての新しい名称・ジャンルを与える必要があるわけです。


『熟成した日本酒(古くなった日本酒)』と『時を与えた日本酒』って同じようだけど違うのよ。概念的にマイナスをプラスにすることは困難だけど、無はプラスにできるわけですよ。とは言っても周知のさせ方って難しいからそんな簡単に行くもんでもないと思うけどね。中央(隠語)がそんなやる気ないし。


「日本酒を育てよう!」みたいな展開のさせ方も良いんじゃないかって思う。まぁもちろん、今までのマイナスフレーズ(古くなると〜)も同時に排除していかなければならんけどな。


でも熟成酒好きとしては今の状態って天国と思うよ?だって時を経てるのに安くなること(or高くならないこと)多いんだもの。売れ残り半額とかどう考えたってボーナスステージだろ?俺個人の益からすれば知識や情報が行き渡ってない今はウッハウハでございます。


ちなみに『日本酒が酢になる』状態ってたぶん火落ちを指してると思うんだけど、火落ちにも結構いろいろな変化をするものがあるので、そこを理解しだすと自然派ワインみたいな展開が待ってて奥が深いですよ。とは言ってもなかなか火落ちなんてするもんじゃないけどね。俺の所有でも火落ちって1〜2%しかない。


火落ちはぶっちゃけて言えば所有者の管理方法というよりも元の酒質で決まっている。大手の酒はどんなんやっても落ちない。散々実験したけど無理。これはなんでかって言うとアレです、山パン理論ですw


そして俺の経験上、落ちるやつは一週間で完落ちするし、火入れでも落ちる。事もあろうか未開栓で完落ちしてるやつもある。落ちてるわけではないけどそれっぽい味わいの酒もある(「造った火落ち」って呼んでるw)。でもまぁ、火落ちする資質の酒のほうが面白いのよね。『雑味』という名の魅惑成分を含んでることが多いので。とはいえ雑巾系はどうにもならんけどな。


「現代ですら1〜2%は落ちるって考えたら、昔の酒って30%くらいは落ちてたんじゃない?」って持論を某有名酒屋の店長と話したことがあったけど、返ってきた答えは「いやぁ、半分くらいは落ちてたと思いますよ?」って。ガッチリ握手を交わしたよね。更には「ビオなんて火落ちみたいなもんでしょ?」と。ガッチリ両手で握手したよね。


これは全くの想像だけど、大昔の人は普通に火落ち酒を飲んでたんじゃないかって思ってる。薄めて飲んだりしてたわけでしょ?それが理由の一つだったのでは?考えようによっては酢の物代わりもなるしな。


ちなみにその酒屋からは未開栓完全火落ちを譲っていただきました。ありがとうございます。未開栓でも完全に落ちてるやつたまにあるのよね。俺は喜んで買っちゃうんだけど。


また他の酒屋(火落ちに理解のある店)でも譲ってもらったんだけど「大っぴらには売れないから知ってる人にだけコソッと売るよ?」って。試飲したら革命的な美味さだったので爆買いしました。


その酒屋曰く「○○に関しては水が原因じゃないか?」とのこと。これは一つの論として信憑性が割りとある。該当の酒は水が違っていたらしいからね。他の要素も十分考えられるけど、まぁ一つの可能性として。でも何故かその銘柄のこのラベルのものだけが火落ちするってあるのよね。不思議。


以上、火落ち扱い素人界ナンバーワンを勝手に自負してる俺の言葉なのでほんのちょっとだけでも参考にしていただけたらと存じます。




ん?最初、熟成の話だったよね?
もしかして…脱線?




【最後に】
俺の個人的見解だが、実を言えば『日本酒の熟成に関しては現状が既にある程度認識されている状態』だと思っている。それ以上を狙うのであれば、そもそも日本酒の認知度が上がらなければならない。パイの拡大がないと深いところの認知もそんなに広がりなんて無いからな。
そのために必要なことって、入口はどこでも良いから日本酒を飲んでもらうってことに尽きるわけですよ。入口は獺祭のようなネームバリューと分かりやすさ兼ね備えているやつで全然いいというか、とにかくパイを増やすことが先なんよね。それから己のテリトリーに引き込めばいいんよ。


おわり





【追記】
見てわかるようにツイッター意識してメモっとったのよね。
でもなんか色々めんどくさそうだな…って思ったんでやめたw
気が向いたらコピペして流すかもしれんけど。