あのcongiroが、酒と旅と○○を大いに語る!ブログ!

酒と旅と散歩とか日々の記録ブログです

「日本酒に賞味期限はありません」について(その2)

※画像と内容は無関係

まずは先日のエントリ読んでくれや。
http://d.hatena.ne.jp/congiro/20140508/1399528974
話はそこからだ!


では本日のお題。
『congiroさん的にはどうあるのが望ましいか?』



俺自身は酒蔵でもないし卸でも小売でもないイチ消費者なので、酒の返品があることに対して実際のところどうのこうのという印象はございません。
「あー、あるよね」ってくらい。


でも、先日のエントリでは秋田県酒造協同組合についてGJ!と言いました。
では何に対してGJ!だったのかというとですね…。
公的な機関がこのような発言をすることは、日本酒の熟成に対して理解の広まるきっかけの一つになる!と思っとるのです。
実際、消費者の一人がツイッターに引用しただけで、1万人以上に引用されたわけですよ。
ということは、実際に目にした人はそれより倍以上に多いということです。


風が吹けば理論で、これがきっかけで巡り巡って熟成の道に入る人間も今後出てくるんではないかと思っとるのですよ。
ホラ、congiroさんは無責任にも「全蔵古酒やれ〜!」と思ってるじゃないですか?
需要が高まれば熟成酒・古酒も増えるだろうし、多くの蔵が古酒やるようになれば、國酒でクールジャパンな影響を受けて法律も古酒づくりに動きやすい環境ができるんではないか?と思っておるわけです。ていうか、そもそも法律知りませんけど。
熟成や古酒にもイノベーションを起こすには、今のままでは絶対数が足りんのです。
だから、そういう意味で秋田県酒造協同組合GJ!とね。




ま、実際、秋田県酒造協同組合が今回このようなポスター作りましたけど、実のところ強制力は全くございません。
だって『小売店様、お取扱い業者様へのお願い』って書いてあるだけだから。
もし本気で変えたいのなら、組合はポスターとか作らんでガチガチのルール制定してそれ以外は突っぱねればよろしいのですよ。


でもそれが出来ない。
なんでか?


それは簡単。
日本酒業界が性善説で成り立っとるからです。


日本酒蔵って、今でもあまり儲けることを考えておりません。
「少しでも安くして喜んでもらおう」みたいな考えが割りかし一般的です。
そうすると「客が古いのを望まんのですよ…だから返品いいよね?」って卸や小売が言ってきた時に断らんのです。
卸や小売も消費者に言われるがままというか、ここにもお客様は神様理論が根付いておるので、その性善説に基づき客の要望だから仕方ないという考えに行き着き、そんなこんなで『古い→ダメ→返品』という土壌ができてしまっておるわけです。
これは現在までに根付いておるルールの存在しないシステムでございますね。


とはいえ、口には出さないけど、やっぱ蔵としては返品は困るわけです。
でも、いち蔵として口にするのは憚れる。なので「組合助けて!」ってなるわけですよ。
ま、組合ってのはそういう時のために存在しとるんですけども。
でも組合もルールを制定するまでには至らず「できたらお願いします…」程度に穏便に済んでくれたらというまさに日本的なアレでして。
やっぱこれは、ルールが決まってしまうと困るところが出てくるということの証左なのかもしれませんな。
congiroさん、ここまで完全に想像で言っとります。(これ以降も想像だがな!)




では、この問題を解決(返品ゼロに)するためにはどうすれば良いでしょうか?
ここで『ちゃんとしたルールを決める!』とか当たり前すぎる糞の役にも立たない答えは言いません。だってcongiro様のブログですからね。


ではどうするか?
それをどうにかする方法は実はあります。


業界が悪を制定すればいいです。
『返品=悪』という図式を刷り込めばいいです。
そしてそれを訴え続ける対象は主に消費者です。


いや〜、これは効きますよ!
だって世の中には正義のほうが多いですから!
なので次のポスターは小売・卸向けじゃなく、消費者向けに「私たち困ってます!」を訴えるポスターでも作ればいいんじゃないですかね。
どこが返品しているかってのはすぐ表に出てきますから、正義の人たちが執拗に叩き潰してくれますよ!
というわけで、「本気で返品は困ると思っていて絶対に改善したいけどルールは作りたくない!」ということならば、世論を動かすために広告の向き先を変えればいいです。
現代はそういう時代だから、正義心を煽るロビー活動を続ければ風向きは変わりますよ!
ま、これは全然ポジティブじゃないやり方ですけども。


これは半分冗談な。
実際は上記のようなことは恐ろしくて口にも出せません。



ではソフトランディング的にはどういうのが理想ですかね?


う〜ん、そうですね。
オリンピック時期あたりを目処にやればいいんじゃないですかね?
蔵も世代交代が進む頃だろうし、色々と物事の進むタイミングとしてはちょうど良さそう。
上で述べた悪の制定とかじゃなくて、もっと一般に理解の広まるプレゼンを増やしてですね。
そしてそれと平行するように段階的にルールを制定して、時代の変遷を待つという。

  • 制度の制定
  • ロビー活動
  • 時代の変遷

この3つが実を結ぶのが5〜10年後くらいなんじゃないかと勝手に思っとります。
そんくらい時間あれば、蔵も継続するか否かの決断も出来るだろうし、今後の指針も立てられるやろ…と。


「そんなかったるい事言っとらんでガチガチにルール決めてさっさと実行すればエエんじゃ!」って言われたらそれはそうでしょうけど。
そういうんじゃないあくまで日本的なアレな解決策としてかったるい策をネ。



ところで、congiroさん的にはどうあるのが望ましいか?なんですけど。
実は「このままでエエんじゃないかね?」って思ってたりします。


だって本気度が見えてこないんだもの…。


つーか、こういう話もありますし、世代交代したら勝手に変わると思うよ?
◆「杜氏」の平均年齢70歳!酒造に見るブラック伝統企業と労働環境改善
http://togetter.com/li/77752
自己犠牲によって支えられる業界は傍目には面白くても未来は無いです。
それに気づいている新時代の人達は、(良い意味で)自分らに都合の良いようにシステムを替えてくれるとcongiroさんは信じております。



おわり。
(その3につづく)