5名の有志とともに剣菱酒造見学に行ってきたのでそのレポートでございます!
日にち確定したときは「すべての用事をキャンセルしてでも行くぞ!」と思ったけど、何の用も無かったので余裕の参加と相成りました。
どうせ行くなら他のところもついでに行こうと一筆書き旅行にしたので、それ以外の旅行記に関してはこのエントリの前後でも見ておくんなまし。
とにかくですね、今までの蔵見学の中でも最も素晴らしいものだったので、参加者みんな大満足だったということは先に記しておきます。
まずは待ち合わせで深江駅に着いたのですけども、迎えに来てくれたのが剣菱社長だったのでビックリしましたね。
そして剣菱の4つの蔵のうちのひとつ、浜蔵に到着。
「写真は自由に撮っていいですよ~」と白樫社長。
これはもう撮りまくるしかありませんね!
エレベータで屋上に移動して降りたところに杵と臼が。
皆で餅ついて食べたのだそうです。
剣菱はとにかく蔵人さんたちへの食事は気を使っているそうで。
「食べることは大事ですからね~」と社長。
屋上にある剣菱トレードマークの大菰樽。ハイパーでかい!
T氏「あれ、酒入ってるんですか?」
社長「さすがに入ってませんが、税務署には疑われましたねw」
一同「www」
実際にここに酒を入れてたとしたら万リットル級らしく。
先日の大型台風ではちょっとした被害はあったそう。確かそんな事を言っていたような?忘れた。
屋上にある会議&試飲ルームへ。
参加者の一人、京都は鞍馬口の銘酒居酒屋『若水』のパブリックドメインこと作石君。
会議室にズラリと並んだ剣菱ーズと…ん?
こ、これはっ!
ご友人が作ってくれたのだとか。
剣菱のマークがそれっぽいからメチャかっこいいという。
壁には赤穂浪士討ち入りの時に飲んだ酒が剣菱だったという逸話の絵が飾られておりました。
そのへんの歴史についてはこれ見て。
「真偽の程はわからん」って書いてあったけどw
ちなみに先日8時間居たという見学者が絵の飾ってある側の壁に激突したらしくその跡が残っておりました。人に歴史ありですね。
頂いた資料とか水とか。
ここに剣菱の歴史とか方針とか書いてあって、剣菱では有名な話ではありますが「止まった時計でいろ」という、流行を追わずに同じものを提供していつづけていれば流行はまた訪れるという旨の記載がありました。
いつまでも変わらずに同じものを造り続けるってのはそれはそれで勇気がいるものですからね。剣菱だからこそできることだなって思いましたね。
あと、江戸時代中後期あたりは剣菱を飲むことを『けんびる』と言っていたそうで。ケンビる…これは流行るw これからはケンビルの時代!
また、桶とかじゃなくて剣菱を騙る酒造が結構居たらしく、そういう剣菱に追随することを指して『けんびる』とも言われただとかも言ってたような?どっちだっけ?
さて、座学の後は本格的な蔵見学。
先程は無かった暖気樽が干されておりました。
湯気が出とる!こいつは本物!偽物とかねーけど。
ちなみにこの暖気樽、剣菱自家製です。後で工場出てきますけど自家製。マジかよ。
階が変わっていろいろな酒造りの道具が出てきます。これは蒸すやつ。
聞き忘れたけどこれなんだっけか?風送るやつだっけ?
他の蔵でもそうですけど、剣菱も例に漏れず掃除多めでございますね。
結構意外に思われるんですけど、剣菱はかなりの工程が人力だったりします。
「酒米食べてみますか?」とのことで食べてみましたけど流石に酒米。
このボソボソ感たるや!
酒母工程。
参加者の一人、京都は鞍馬口の銘酒居酒屋『若水』のパブリックドメインこと作石君もこの工程に挑戦!
こういう容器がたくさんあって泡がぶくぶくです。(知性派による解説)
プロペラで上がってくる泡消ししてるブース。
これは杜氏さんがムロでやる作業でございますが、高温多湿すぎてレンズが曇りまくりでデジカメではほとんど撮れてないの図。
この工程はとにかく壮観だった。
多くの人が想像する酒造りのそれよ!
ご存知、ヤブタさん。
ここで搾りたての酒を試飲させていただきました。
うっほー!めっちゃ濃い!味もアルコールもめっちゃ濃い!
鮮烈ないわゆるザ・無濾過生原酒!
度数聞いたら21度くらいと言っておりました。ほぼ限界値!
これに関しては時計が動き出す味でしたね!剣菱感はほぼございませんし、ここから剣菱になるとは想像もつきません。
社長「なんで無濾過生原酒が値段高いんやろな~(超訳:多くの工程を経てないのに)」
一同「w」
お次は熟成や濾過をかけた状態のものを試飲させていただきました。
これはそのタンクのひとつでものにより経過時間が違うのだとか。
「まだ荒いけど~」みたいなことを仰っておりましたが、ここに参加しているメンバー的にはさっきのよりは馴染み深い味に感じましたね。剣菱感はまだそれほど感じない。
そしてこちらの貯蔵タンクですが、電気のスイッチ入れるとバン!バン!バン!と音がして順に明かりが点いていき、ちょっとした劇場感があってかっこよかったです。
わりと聞きづらいこと(タブー的な)にもフツーに答えてくれる白樫社長。書けんぜ~w
これは酒粕。
剣菱の酒粕は酒粕として売るのではなくて酢を作るのに使われているのだとか。
これはズームして向こう側、蔵人さん方の控室だったっけ?
onibishiの文字があります。なんでここに貼ってあるかはわからんけど。onibishi(鬼菱)については後術。
これは精米機。
「こんな数の精米機があるとかさすが剣菱やな~!」と一同圧倒。
あまりにも精米機が多かったので、他の小さな蔵から削って依頼とかあるんかな?と思って聞いてみたけどそういうのは特に無いとのこと。
特A山田錦が入っていた袋。
これはちゃんと処分しないとやばいのだとか。
船場吉兆みたいな事件もありますからね。
そしてこれが木工場!
暖気樽を始め、蔵で使われる木製のものはここで作ってるそうで。
樽とか作ってた職人が居なくなってきてるから自分たちでそれを継承しようとわざわざ敷地内に木工所作ってやっとるんですよ!
これは参加者全員「まじかよ~!」みたいな印象でした。
これは蔵人さんたちが食べるご飯入れるおひつ。
おひつだと味が全然違うとのこと。こういうものまで作ってしまうとか!
最近の菰樽はプラスチックとかポリエステルが主流になってきてて「神様に奉納するものがそういう素材なんはちゃうやろ!?」みたいなところから、社で木組みしたり、藁で紐を作る機械を中古で買い取って修理して使ってるのだそうです。現在はそもそも新品が存在しないっぽい。
文化継承といえばそうなんですけども、ここまでやるのは趣味なのか使命感なのか分からなかったので聞いてみたら「使命感ですね~」と即答されました。でも、ちょっと趣味も入ってるのでは?と思った。
しかしながら『良いものを造るためにはどんな出費も惜しまない』というスタイル(社訓にもなっている)は、実際に自身の目で見て実感しましたね。
これまで以上に剣菱のことが好きになってしまいましたよね。
と、これにて蔵内の見学は終了し、先程の屋上会議室兼試飲室へ移動します。移動中、食堂からカレーの匂いが漂っておりましたが正直言えば食べたかったですね。正直言えばね!
会議室にてどんどん置かれる剣菱シリーズとつまみ。
ありがたや…
俺が年末に必死こいて入手してきたなんでんのもありますよ!
なんでんのは剣菱で唯一、熟成期間を経てない(超短い?)純米酒で、売ってるところは加東市のJAと観光案内所だけというレア物です。味はちゃんと剣菱です。
瑞祥も!ていうか、全部あります。全部!
そして満を持して鬼菱の登場!
鬼菱とは剣菱社内だけ(蔵人の食事中だけ)で消費される、返品のブレンド剣菱なのです!実はこれが飲みたくて社長に打診しとったんですよね!ていうか、そういうこと打診できる主催者のcF君に乾杯!しかし、山廃造りの酒は燗酒がうまいですね。
「なんで販売しない(できない)社内消費の酒なのに本気ラベルなんです?」と聞いたら「ただのこだわりですw」という答えが返ってきました。これは遊びの範疇っぽいですが、ラベル無しよりも特別感あるし、そういうのは実際に美味さに繋がりますからね。
もちろん、これは一般入手不可というか、社長すら持って帰れないそうです。また、ラベルに男山って書いてある理由は社長も分からないのだとか。
未納税系…OEM…の話とかとてもじゃねーけど書けないこととかフツーに答えていただきました。とにかく我々の些細な質問も真摯にお答えいただき、我々も飲みながら酔った身分ではありますが熱が入りましたね。
そろそろお暇しようと会議室から出てきたときには日が陰り始めておりました。
社長にはまたもや深江駅まで送っていただきまして恐縮です。
別れ際、ふと白樫社長の手を見ると、剣菱リングが!
売ってたら欲しいなと思ったんですけど、これはご友人が作ってくれたそうで。剣菱マークってまじカッコいいからこういうのにも映えていいよな~。
結局、10:00から15:30まで長居してしまったのですが、まさかの搾りたてや、噂に聞いてた鬼菱が飲めたり、色んな話ができたので勉強になったしすごく楽しかったです。
白樫社長、本日はどうもありがとうございました。
出馬の際は日本飲酒党に一票投じたいと思います!
また、この会を成立させたcF君ありがとうね!
忘れられん1日になったよ!
~おわり~