あのcongiroが、酒と旅と○○を大いに語る!ブログ!

酒と旅と散歩とか日々の記録ブログです

萬代 博多純米酒:炭濾過アルコール水

全然褒めないので、読みたい人だけにしてくれ。

福岡県は小林酒造が造る日本酒です。
萬代の銘柄は福岡人には馴染みが深く、30代以上のCMを見たことある世代では知らない人はいないんじゃないかな?
俺が買ったこれは蔵横の直売所には置いてあるものの、公式ページには載っていない一本。
純米の中では一番安く(1900円チョイ)、精米歩合70%と俺の期待しちゃうスペックであったりする。


まず味だが…。

あー、ダメだこれ。
バランスが良くないとかじゃなくて、全てのうま味を消しさっとるな。
良く言えば「飲み易い」って人もいるだろうけど、お世辞抜きでまた飲みたいって人は居ないんじゃないか?
味だけで考えりゃ、まぁ端麗ね〜って程度の酒です。
ま、そんな味ですわ。


別に味そのものがダメってワケじゃないけど、どうもスタンスが気に食わんな。
残念だと思うのはさ、この米を使って70%の精米歩合でなんでこの味にするんだろ?ってことだ。


萬代は俺が小さいころより前の日本酒がほっといても売れてた時代、CMバンバンやってた時代の萬代の酒は今で言う上撰・佳撰(普通酒本醸造レベル)ばっかだったと思う。(今でもそうかな?)
というか、その頃って純米純米言ってる時代でもないから、アル添メインの蔵が多かったと思うけど。
んで、今も、そこらの酒屋で見かける萬代の酒は上撰・佳撰がほとんどと言うか、それしか置いてない。萬代の純米酒をそこいらのフツーの酒屋で見た事が無い。
つまり、萬代は上撰・佳撰(普通酒本醸造レベル)がメインの蔵といえる。



そこでよ、俺がこの純米酒飲んで真っ先に思ったことがよ。
純米酒なのに普通酒に近づけた味」というか、「目指した先が普通酒本醸造」という感じの酒質というのかね。
だとしたら何のために造ったんだろうか?製法的には純米の方が簡単だから?
炭ガッツリ使って全ての特徴を消しさっとるだろ?これ。
この歩合でこの色とこの味はなかなか無いと思うぜ。
酸味も無いし、旨みも無いし、渋味も苦みも感じない。あるのはアルコール感とうっすらもったりした甘さ。
それってまさに普通酒のことじゃねーか?
正直、純米酒としては、なーんの印象もないのよ。
こんなんだったらなんで純米に手を出すのか?
うまいとかまずいとか置いといてさ、こんなの造んないで本醸造普通酒だけ一生懸命造っとけばいいんじゃないの?そっちのほうが安くなるしよ。
何となくだけど、「純米」って言葉使いたいためだけに造りましたみたいな印象がないでもないのよね。
俺にはこの純米酒の売りがよくわかりません。


地元の銘酒といわれた萬代が造る純米酒がこの程度なのか?
はぁ〜、ハッキリ言って価値ナシですよ。(この酒に関して言わせて貰えばだけどな)
純米酒は他に2〜3種あるから試さんと何とも言えんが、これ飲んだあとに他の純米飲みたくなるか?って言われたらまずそうは思わんだろう。


これはアレだな『福岡のかつて有名だった蔵が造ってみた純米酒』というだけだな。
地元愛があるからこそ糞味噌に言うけど、これはダメだね。何の印象もないアルコール水だな。
これは放置して変化する酒質ではないので、さっさと飲むか料理酒にするしかねーな。


たぶん俺以外多くの人は「飲みやすいんじゃないの?」って言うかもしれない。
しかし、これはただの埋没するだけの酒だ。だとしたら、この値段ではダメだ。
ディスカウントストア卸限定でいいとこ1400円以下だろ。
それだったら俺はなんも言わんかったと思うよ。
なんたってディスカウントストアで一升瓶1000〜1400円で売ってる純米酒と同じ味だからな。


しかし、この酒が向いてる場面が無いわけではない。
味わうことをせずに飲む状況では向いてるかもしれない。
相撲取りが優勝したときに飲むとか、一気飲み大会とか、振る舞いとか、お屠蘇ベースとか、地鎮祭用とか。


アレやね、福岡は酒どころといわれていた時代があったけど、今は惨憺たる状況ですよ。
ほっといても売れる時代をとっくに通り越して今や厳寒の時代。
そんな中、生み出された博多の純米酒は何のインパクトも味わいも無く。
ただスカスカとしとるだけです。