↑先日、常温〜燗で飲んであんまりピンとこなかったから冷やしてみた。
常温〜燗で飲んでピンとこなかったから冷やして飲んでら美味かったってケースはあんまりないんだけどね。でもこれはなんかそういうグループの酒質とは違う気もする。
冷やさなければ光らないなにかがありそう…と思ったので冷やして飲んだ。
そしたらどうなったか?
あっ、これは冷やしたほうがうまい。確実にうまい。
先日書いた個々の要素がバラけずに、隠れずに、まとまったフォーメーションを組んでる感じになる。
また常温のときにはグレープフルーツのような苦味と酸味と書いたけど、冷たくするとそこにイチゴのような酸味と香味と薄い糖のようなニュアンスが加わってきますね。飲んだあとの香りの抜けが非常に好ましい感じで。
これは素直に美味いし、この酒にしかない要素も持っていて非常に好ましいですね。
一般受けするのかはよくわからんけど、これは俺好きですね。
ガッツリ冷やすとバナナのような風味もちょっと感じますね。
全体的にはシェイプされた身体つきというか、すべてのパラメータが抑えめだけど均整が取れているというか、俺の大好きな『バランスよく足りない酒』という感じです。
正直美味いんだけど!
めちゃ好きな味なんけど!
たぶんまた買うけど!
…でも食い物にはほぼ潰されるw
食べ物は薄味でないと潰されるので、ピン飲みか玉子焼きみたいなのが合いますかね。
塩味や脂味のような食い物には容赦なく潰されます。
日常のメシ時に飲むと全く映えない。食べながら飲みたい感じなんだけど食中酒になりにくいですね。そんな淡い食い物いつも食ってないからなぁ…
俺みたいな、メシ時にしか飲まないマンにはちょっと扱いが難しい。だけど、だけど…すごく良いのよね。
で、開栓後の変化はそこそこ激しいような気がする。
無濾過生とかで見られる甘ダレとかではなく、渋さと収斂みが強くなる。
そうなった場合には上記で挙げた魅力とは違う酒になる。
なかなかにピーキーな酒だな…
なんだろこれ?俺によく効くストロングポイントを持ちながら、俺がとても困るウイークポイントを持っている酒って言えば良いのか。
切る酒でもないし、余韻の強い酒でもない。スーッとフェードアウトする感じですよ。
強い旨味がないと気づいてもらえないような外食産業の環境では結構埋もれそうな感じがする。野菜メインの組み立てをするような店でこれが入っていたらおもろいとは思うけども。
でも俺めちゃ好きだね。好き。
『ピークだけで考えたら』今年の良かった酒の代表には間違いなく入れるレベル…
だけどどう扱えばよいのかはわからないw
が、こういう酒も面白いよね。
魚も野菜も食べどきってあるから酒にも飲み時があっていいのである。
見かけが変わらないから難しいのだけどもな。
まぁでも舌が気持ちいい酒ではありましたね。