【アレにまつわるエトセトラ】
先日のTwitterからなのだが、とある方が、
「日本酒蔵で消毒アルコールつくるのが難しいことは理解したが蒸留酒造ってる焼酎蔵は早くやれるんじゃないの?」という旨の書き込みをしていた。
それを見た俺は、この方には返事をしていないが、RTでこう書いた。
RT 焼酎蔵の多くはスピリッツ免許持ってないし、連続式蒸留器持ってないはず。
— congiroEX (@congiroEX) 2020年4月15日
つまり造れない
— congiroEX (@congiroEX) 2020年4月15日
で、これなんだが、実はできる。造れる。
これは俺流の忖度によって「”ほぼできない”ということにしといてやれ」というものである。とりあえず、多くの小場な焼酎蔵はスピリッツ免許もないし、大掛かりな連続式蒸留機は持ってない。だから、そのへんを知らん第三者が「造れよ!」と迫るんはちゃうやろ?って意味でこう書いているのであるが…
しかしながら、実はできるのだ。
例えば単式の蒸留器でも花酒、泡盛の初留(最初の方にとれるアルコール)で60度超えてるようなやつとかある。
泡盛に限らず、他の焼酎蔵でもそういうのはある。
これを複数回やればもっと高い度数はできる。
しかし、とにかく効率が悪いし、連続式みたいなハイパー蒸留装置と違って味も香りも濃いし、値段も当然高くなる。むしろ兼消毒用とかにしないでそのまま売れよレベルなんだけど(今回兼消毒用で出してるところのはそれでも安いのだが)。
だからまぁ、「できるっちゃできるけどできないってことでいいんじゃない?」って意味なのだ。「小さな蔵にちょっとしか出来ないようなハイアルコール造れというのも酷だろ」ってところなんだが…
が!が!が!
なんか知らんけど、俺の「できないってことでいいじゃん?」という思いとは裏腹に、味や香りを残し明らかに飲み物ベースで造っときながら”兼消毒用アルコール”を出そうとする蔵がいきなり増えとるのだ。
こういうのって、消毒ベースで売りに出すなら原料なんてどうでもいいはずなんだけど、蔵の矜持なのか割とその蔵の得意の原料で出す流れが出来つつあって、「え?こんなレベルのものを消毒用として売っちゃうの?ていうか、コロナ後もそのまま定着してくれませんか?」みたいなアレなんですよね。
【ニュース】
消毒液の代用に高濃度酒類製造で期間限定の免許新設 国税庁 | NHKニュース
そしてこの流れでこのニュースですよ!
もう勢いは止まらない!
【アルコールリスト】
※順不同(クリックすると新しいウィンドウで開く)
- 明利酒類(茨城):メイリの 65%
- 菊水酒造(高知):アルコール77
- 若鶴酒造(富山):砺波野スピリッツ77
- 笹の川酒造(福島):SPIRT66
- 新潟麦酒株式会社(新潟)/長野屋:長野屋アルコール77%
- 中国醸造(広島):High Alcohol Spirits 65%
- 仙醸(長野):仙醸アルカス77
- 中野BC(和歌山):白富士65度
- 笹一酒造(山梨):笹一アルコール77
- 西山酒造場(兵庫)/KURAND:丹波ALCOHOL77%
- 花春酒造(福島):花春スピリッツアルコール66%
- 八木酒造(奈良):花札スピリッツ66
- 久米仙酒造(沖縄):MUNA67度
- 忠孝酒造(沖縄):CHUKO 65%
- 多良川(沖縄):KAMANKAIPIRI74
- 北陸醗酵工業(富山):北の大将 ストロング66
- 南アルプスワインアンドビバレッジ(山梨):アルコール66
- 篠崎(福岡):ALC66
- 小正醸造(鹿児島):KOZURU SPIRITS 77%
- 大山甚七商店(鹿児島):HIGT SPIRITS 77
- 請福酒造(沖縄):請福77
- MCG(宮城):スピリッツ80
- 高田酒造(熊本):T'S SPIRITS77/T'S SPIRITS75
- 外池酒造店(栃木):Tono 77
- 金龍(山形):KINRYU EXTRA STRONG VODKA 77/KINRYU STRONG VODKA 66
- 八重泉酒造(沖縄):YAESEN 77%
- 楯野川酒造(山形):たてにゃんの鬼退治65
一般市販なし?
- 合同酒精(北海道)/オエノン:ビッグマン除菌用アルコール
日に日にどんどん増えるし、まとめるのもめんどくさくなってきたので、これにて『アレ系のアルコール情報』は更新終了とさせていただきます。
長年のご愛顧ありがとうございました。