あのcongiroが、酒と旅と○○を大いに語る!ブログ!

酒と旅と散歩とか日々の記録ブログです

日本酒の未来(その5):未来は?希望は?どこにあるのか?

その1〜その4まで書いて終りが見えないので、今回で無理矢理終わらせる。


【なんでイノベーションなの?】
ところでね、congiroさんこのシリーズ通してイノベーションイノベーションイノベーション発声機みたいにイノベーション言ってたんですけどね、それでもイノベーションって言った理由はございましてね。
俺がイノベーションと言った先には何があるかというと、これはひとえに『雇用の創成』なんですよ。


ところで現代の日本酒の世界なんですけど、数少ない興味ある人から見るとたぶん新時代でしょうよ。
でも、その他大勢派である興味のない人たちから見たら、たぶん伝統工芸程度にしか見てないんですよ。
木彫りの熊とかこけしとかそんな感覚ですよ。
伝統工芸ってなんとなく文化としては残した方が良いくらいのイメージはあるけど、自身がそこに携わりたいとか思わないでしょ?
いやひょっとするとそれが伝統工芸としては正しい姿なのかも知らんよ?
でも雇用を見い出せない業界に未来なんかあるかね?
未来に向けたビジョンを見せていかないと結果的には何も無い状態になっちゃうわけですよ。


イノベーションとは、目に見える大きな転換期のことですよ。
転換期があると概念も大きく変わるので、行動のきっかけになり易く、結果的には雇用の創成に繋がるわけですよ。(具体的な話は超長くなるので端折る)
その結果として、今まで見たこともないような色んなものが生まれるわけですよ。
それがどんな形か見たいじゃないか!


雇用を創生できない産業はやがて滅びますよ。
新時代つったって、俺から見りゃ嗜好品って狭い範囲に留まったちょっと余裕がある層のお遊びですよ。
それじゃきっと長続きしないのよ。
これからの世代や0層に「日本酒は面白い!」を訴えかけていかないと未来なんて無いんですよ!
だからイノベーションをおこす必要があるのよ!
で、このままで行けば日本では日本酒のイノベーションなんかおこるはずもなく、海外で起こってそれが世界基準になっちゃうわけですよ。


日本で日本流のイノベーションを起こすためにはやらなきゃいけないことがたくさんあって、やらなくて良いこともたくさんあるんです。
それがもっと語られる状態だと良いなぁ…ってcongiroさんは思うわけですよ。




【TPP後】
TPPで沸き立つ蔵もあるんでしょうけどね、特需みたいなもんで長い目で見ればまぁうまく行きません。
「輸出で儲かる!」と思う蔵多いかもしれませんけど、多分そのために手を打ってる蔵の幾つかが儲かるだけでしょう。
上手く立ち回れないところは変なブローカーに食われて美味しいとこは全部持ってかれるんじゃないですかね?
で、そのうちに現地人が自分たちにフィットしたパワフルな酒を現地で造り出すんですよ。
そしたら日本からの輸出とか要らんのですよね。
それどころか、そこからそう遠くない未来に海外産のスゲえ日本酒が安値で輸入されちゃうんじゃないですかね。
そしたらもう終わりですよ。終わり。


そのうち基準が世界にシフトして、日本の日本酒の特徴で残るものはアル添だけでした!みたいな皮肉な結果になったりするかもしれませんね。笑えますね。*1
もしくは高級路線としての嗜好品でしょうね。
だとしたら俺らが買える値段ではなくなってるんでしょうね。
すると日常性とか全く無くなって有難がって飲むことを推奨されるわけですよ。
まさに日本の日本酒です。敬意を払って飲むのです!ハハハ!


しかし、どうなるでしょうね?
最近蔵の人と喋る機会がそこそこあるんですけどね、俺の持論語るとそうなることを望んでいる蔵の人がそこそこ居るんですよね。
閉塞感を感じていて、でもどうにもならないもどかしさがあるみたいです。
いつまそぶっ壊してくれ!みたいな感じらしいです。
法の壁とかしがらみってそれだけデカいんですよね。
日本の文化を壊すものが文化そのものと国でした!みたいな。やれやれ。




【これからの蔵いくつか】
この前の旅行中、布団に寝っ転がってテレビ見てたらたまたま寺田本家中心の特集を再放送でやってたわけですよ。
家ではラジオ中心でテレビ全く見ないのに、必要な時に必要な情報を引き寄せるcongiro様のヒキの強さ!
いやそれはどうでもいい。


とにかく寺田本家ですよ。
http://zck.or.jp/forum/forum/2880/2880.htm
そこでは千葉で最も人口の少ない町(らしい)。
そこに寺田本家っていう香取とか五人娘とかっていう銘柄の酒を造ってる蔵がありましてね。
正直、新しいことは何もやってないんですよ。むしろ昔に回帰しているくらいで。
やっているとしたら、自治体と協力してスローガン決めてうまいことブランディングをやったというだけですよ。
寺田が関わると健康的なイメージがとにかく強い。元々それをウリにして戦ってきた蔵ですからね。
それにプラス『発酵のまち』というスローガンですよ。健康志向の昨今でイメージが悪くなろうはずがない。
地域が盛り上がるということはどういうことかって、雇用が創成され人口が増えるわけですよ。(実際増えてるかどうかは知らんけどな!)
そこには理想的な日本酒の姿があったよ。
地域みんなが酒に関わり(子供すら!)そして他の蔵や地元産業色々も巻き込み『発酵のまち』というブランドを盛り上げる。
年代問わず酒に関わることによって、日本では失われつつある次世代への飲酒文化の伝達もできてるわけですよ。


酒は酒だけで発展はないし、地域との結びつきこそが本来の地酒のあり方でしょうな。
地酒とか言っても東京しか見ていないのでは結局はチキンレースみたいになんのよ。
地域とともにある地の酒、それが地酒であると俺はこの番組で感じたよ。
地酒が地方の酒となって久しいけど、これは地域とともにある地の酒だ。
取ってつけたストーリーではなく、本物の物語があるんだよ。
いや、綺麗事で申し訳ないですけども。


酒は単純に味だけで語るのも面白い。
その物語を知って飲むともっと面白い。
そしてその地に行って飲むともっともっと面白い。
特に工場化していない小さな蔵は物語が付随しやすいので、それは素直にブランディングの1つとして有効に使っていったほうが良いと思うのよね。
地域を支える産業としてもっとアピールをすると良いと思うんだよね。
しかし酒蔵のある町は幸福だと思うぞ?酒は熱狂を増幅するからな!
酒は酒だけでは推進力にはなりづらい。
だが、熱狂の中心に位置することはできる。
だから地域とともにうまく回していったほうがいいんだよ。


何も寺田本家だけではなく、そのように情念を持ってやっている酒造とか協力体制にある地場産業や自治体はあるし、それを後押ししようとする団体の存在もあるのよ。
ただ、それを知るきっかけがとても少ないのが残念なんですけどもね。
新時代の代表だったら、やっぱ新政が凄いよね。
やりたい事をやるためにやりたくない事を勇気を持って捨て去った。
これは結果的には英断なんだけど、そうとうな覚悟があったんじゃなかろうかね?
規制としがらみだらけの日本酒ではあるけども、まだやれる事はたくさんあるって実証したんだよね。


どうでもいいんですけど、寺田本家って先代が亡くなってからかつての超粗暴な味わい(味わいって言っていいの?)が洗練されたんですよね。
そんでcongiroさんはそんなアウトローさが好きだったんで、代替わりしてからはあんま飲んでなかったんですよ。
でも、こういう番組見たらまた応援したくなりましてね。
いや〜、消費者って、本当に勝手なモンですね!ハハハ!





【輝かしい未来へ】
『日本酒新時代』と、誰が言ったか分からないけど、そこに足を踏み出した者は新時代の到来みたいなモノを実感しているかもしれない。
課題はたくさんある。だからこそまだ先がある。
新世代と旧世代との隔絶感のあった日本酒だが、新しい発想を持った者の発現でその世界も変わろうとしている。
いままで売れなかった蔵も、ちょっと向き先を変えてることで売れたという事例は枚挙に暇が無い。
ほんの少し意識を変えただけなのにだ。


日本酒に未来が無いと絶望した者は、既に終わりを見届ける気持ちで居るかもしれない。
前例の無い未来は闇にも見えるだろう。
しかし、数は少なくとも突破を図る者が出てきた。
そしてそこに追従するように新しい未来を語り始める人が出てきた。
絶望の闇の世界でも光明はあったのだ。
絶望なんてしなくていい。
ささやかではあろうとも、本気で望む未来は叶えられる。


そこには何があるか?
それから先には何があるのか?
俺はそれを知りたい。


さぁ、あとは売り上げだけだ!(台無し)


おわり。





【あとがき】
日本酒はどうなったら良いのだろうか?問題点はどこにあるのか?
それについては、このシリーズ以降も書いていくので、興味あれば見なさい。
あとはお前らも自由に語れ!当事者は特に語れ!


俺ができることって、本当に酒を話題にすることくらいしか無いのだけど、それでもできることがそれならそれだけを淡々とやっていこうかなと思いますよ。


おわり。

*1:海外では純米酒しか造らないからね