酒米の高騰かどうかは知らんけど、いくつかの蔵において値上げをしておりますね。
以前、『一升瓶2000円以下の純米酒を持って集まれ！』っていう飲み会をしたことがあるのだけど、今回の値上げの動きによっていくつかの酒がＵ２Ｋグループから外れたみたいなので、このタイミングでエントリをあげてみます。
今回のテーマは…
『U2Kの日本酒は、積極的に選ぶ理由・価値があるか？』
です。
結論から言います。
そこまで無いです。
「この値段で出せる範囲の純米酒を造りましたよ〜！」というのが多いです。
要するにわざわざ選ぶ理由が無いというのがテーマの答えになります。
おお、もう書くこと無い！
たとえば、「純米しか飲まない！」って言う人居ますよね。
でも、彼らは別に純米だったら不味くても良いと思ってるわけではなく、純米酒でありつつ美味しいものが飲みたいと思っておるわけです。
で、U2Kの純米ですが、これと言って飲む理由に乏しいです。
不思議なことに「まずい！」と思うような酒は実をいうと殆どありません。
不思議とか言ってるけど、その理由があって、U2Kの純米酒は味わいの無いフラットなやつがかなり多い印象なのです。
なので、まずいというよりは単純に特徴がほとんど無いと言ったほうが良いでしょう。
そこらへんの特徴無しのU2K純米酒をわざわざ2000円近く出して買うなら、どう考えても出来のいい普通酒か本醸造を選んだ方が当たりが多いです。
それよりもうちょっと出して当たりの多い値段帯の純米酒を買ったほうがいいでしょう。
安く良く酔いたいってだけならぶっちゃけ米焼酎飲んでたほうがよっぽど健全です。
では、U2K純米は全く意味の無い存在か？というと、それも違います。
金冠黒松八号みたいな新たな方向性示したものとか、旭興や杉錦のような熟成で大化けするものとか、香取のような相変わらずの逆張りアウトローとか、福光屋の黒麹のような発想の転換してるものとか、多満自慢のようなオーソドックスに上限行ったようなのとか。
まだ他にも良いものはありますが、このくらいにしておきます。
というわけで、中には明らかに限界に挑戦している酒っつーのもあります。
そういうのを探し当てる楽しさっつーのは有るでしょうな。
しかしながら、U2Kは「このスペックならあえて買わんでもいいんじゃないの？」ってのが多いのですよ。
安く提供するためにはやっぱりどこかで妥協せざるを得ない状況ってのはあってですね。
ところで、「美味しい純米酒を安く探したい」ということだったら、面白いのが2100〜2300円のグループです。
ここら辺はそれこそU2Kと比べ100〜300円しか違わないのにガラリと内容が変わります。
上記で挙げた素晴らしいU2Kのほとんどはこのグループに居ても良いような酒ばかりです。
でも、多満自慢 無濾過だけは、「俺を超えてから行け！」と言わんばかりに、あえてU2Kグループに留まってて欲しいですな。
しかし、多満自慢 無濾過はもっと東京の酒屋で置いても良いと思うんだけどね〜。
あえて選ぶ理由がある素晴らしい酒ですよ。
「この値段で出せる範囲の酒を造りました。」じゃなくて、
「やれることは全部やりきったぜ！超えてみろやオラッ！」という気概を勝手に感じます。
まぁ、こういうテーマで話しましたけども、誰もそんなこと考えてもないのにわざわざ問題にするあたりがcongiro様の真骨頂という感じですね。
ちなみに、杉錦の天保十三年は値上げして面白グループ入りしました。
その報を受けてのエントリでございます。
おわり。
