とある酒屋にて
酒屋「ときにconさん」
congiro「なんですの」
酒屋「あなた常々、酒屋も変わらにゃいかん言ってるでしょ」
congiro「あー、言うとりますね、言うとります」
酒屋「まぁ、そうは言いますけどね、私らこれでも頑張ってるワケですよ」
congiro「あー、そうでしょうねぇ、そう思います、ハイ」
酒屋「だけどねぇ、私の酒屋ではねぇ、○○蔵は相手にもしてくれないんですよ」
congiro「ほう、それはどうしてです?」
酒屋「なんか商圏とかありますでしょ。あの有名な某某酒屋のテリトリーはXYZ区で」
congiro「ありますねぇ」
酒屋「私んトコ、モロにカブッててですねぇ」
congiro「あー、カブってますねぇ」
酒屋「私んトコ、歴史もそんなに無いでしょう」
congiro「まぁ、あそこと比べたらそうなりますねぇ」
酒屋「そうするとですねぇ、まず○○蔵は話も聞いてくれないわけですよ」
congiro「ほう、そんなもんですか」
酒屋「まぁ、仮にウチでも取り扱い出来たとしましょう」
congiro「しましょう」
酒屋「でも、この業界凄く狭いんですよ」
congiro「ですねぇ」
酒屋「ウチの店が○○蔵を取り扱い始めたとか、某某酒屋の耳には入るんですよ」
congiro「ほう」
酒屋「するとですねぇ、とたんに商売しづらくなるんですよ」
congiro「はぁ、そんなもんですか」
酒屋「意外とドロドロしてるんですよ」
congiro「ドロドロ?」
酒屋「ドロドロ」
congiro「はぁー」
酒屋「あとですねぇ、◎◎県の△△蔵ご存知です?」
congiro「あぁー、ご存知です。よく知ってます。良い酒ですもんね」
酒屋「あそこなんか極端で、たとえ私が直接頭下げに行っても門前払い確定ですよ」
congiro「なんでです」
酒屋「△△蔵のすぐ近くに◇◇蔵ありますでしょ?」
congiro「ありますねぇ」
酒屋「△△蔵は、ウチが◇◇蔵の商品置いてるの知ってるんですよ。するとですねぇ…」
congiro「すると?」
酒屋「『あんたんトコ、◇◇蔵の置いてますやろ、そないな酒屋によう卸しまへんねん』」
congiro「はぁー、卸しまへんか」
酒屋「そう、卸まへん言うんです」
congiro「はぁー」
酒屋「なんか閉鎖的でしょ」
congiro「閉鎖的ですねぇ」
酒屋「でも私、○○蔵の酒も、◇◇蔵の酒、△△蔵の酒も好きなんですよ」
congiro「うまいですもんねぇ」
酒屋「扱いたくても扱えないんですよ」
congiro「はぁー、難しいですねぇ」
酒屋「相手にしてくれる蔵だけで商売するしかないんです」
congiro「そんなもんですかー」
酒屋「そんなもんですよ」
congiro「そうですかー」
酒屋「××蔵の酒、conさん好きでしょ」
congiro「好きですねぇ」
酒屋「あそこもいろいろあって」
congiro「いろいろ」
酒屋「そう、で、結局ウチには置けないんです」
congiro「ですか」
酒屋「です」
congiro「ハァー」
酒屋「で、今日は何か買っていかれます?」
congiro「いや、今日は遠慮しときます」
酒屋「そうですかー、また来てください」
congiro「また」
自動ドア(ガー)
酒屋「ありがとございますー」
congiro「はー、寒いなー」
足音(タッタッタッ)
オチ無し
終わり