東日本大震災でもっとも被害の大きかった蔵『酔仙』の特別純米酒。
一般的に商品名はなんかもっとこうパッと分かる名前をつけるもんだが、
これは『岩手の地酒』ときている。
これ、岩手に観光に行った人が土産買うため酒屋に行って
「岩手の地酒くださ〜い!」って言ったらこれが出てくるんだろうか?
という素朴な疑問を持った。まぁいいや。
こういう名前のヤツって、失礼ながらハズレが多いんだけど、これはどうだろうか?
ん?
んん?
これはうまいじゃないか。
その時食べてたのが赤魚の粕漬けを焼いたやつだったんだが、マッチングが素晴らしい。
これは完全に食中酒ですな。
公式にはこう書いてある。
「芳醇にして飲み飽きしない酒」所謂、矛盾の追求を酒造りの永遠のテーマとしている
この酒そのものは、そんなに香りがあるわけではないので、メシ時に飲み飽きない酒質だな。
いいじゃないか、スイスイいけるぞ。
また、この味から見るに長期の放置にも耐えるだろう(熟成にも向いてる)。
惜しむらくは、このような事が無かったら
俺はこの酒を手に取ることがなかったんではなかろうか?って事だ。
名前やラベルが味とは無関係だということは、
同じく大被災蔵、鈴木酒造の『土耕ん醸』が教えてくれたが、これもその一つだな。
提灯記事は書かないことで俺内で定評のある俺が言ってるから間違いは無い。
これは良い酒だ。
で、この酒の特徴をもうちょっと言うと、
燗酒好きな人にとっては、味わいがかなりニュートラルな位置に属すると思う。
なんつーかね、毎日飲んでも良いような酒だよ。
一言で言うなら、これは「くつろぎの酒」だ。
このレベルの酒が毎日飲める地元民は幸せだろう。
遠くない将来、俺はこの酒を飲み干してしまうだろうけど、
酔仙が復活して同じ酒を出荷できるようになるまで瓶は捨てないで取っておこうと思う。
ンガー!頑張れ!酔仙!
そして、もう一度同じ酒を飲ませてくれ!