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ローカライズとロビイング(その2):興味の無い人が買い、興味の無い人が飲む〜後編〜

※画像と内容は無関係

昨日は、「興味が無い人が買う酒は興味が無い人が消費するケースが多いので、そこに興味を持たせる施策でもやったらどうだね?」みたいなことが言いたくて書いた。


じゃあ、実際どうするんよ?
ってなことでも書いてみようかなと思う。


そういうことを言いつつもよ、「それらはゼロをイチにする可能性をほんのちょっとだけ秘めてるのではなかろうか?ってcongiroさん思ってる。」って昨日書いたように、実はそこまで可能性があるかどうかは未知数というか、直接の売上増加にはならんのじゃないかと思ってもいる。
いや、別に逃げ口上ではなくてな。
ただ美味くすれば即分かってもらえるという発想ではダメだってことだ。



昨日挙げた冠婚葬祭、振る舞い、お屠蘇等年間行事、お土産、これらは基本的にもてなしに関わる部分だよな。
んでよ、残念なことに樽酒以外って特定のフォーマットを持ってはおらんのよ。
フォーマットって言うと分かりづらいから、商品と名称と様式でも言っておくかね。


【振る舞い樽酒】
振る舞いの樽酒は、『樽酒』『鏡開き/鏡割り』『祝い酒』とかで検索すれば即出てくんのよ。
商品・名称・様式がある状態、つまりフォーマットが存在している方だからまだいい。
できればもっと味として分かりやすい美味さのものがあるといいなぁとは思うけど。
俺は樽酒好きなんだけど、樽酒って結構苦手な人多いんよね。
なんつーか、甘くて辛口でいかにもな普通酒本醸造の味わいに+時間が経つほど際立つ杉の香り。
祝の席だからみんなそんなに言わんけど、うまい言ってる人そんなに見たことない。
まぁ振る舞い酒なんでそんなに飲むもんでもないけどよ。
でもよ、これが分かりやすい美味さだったら「お酒って美味しいんだね〜」って刷り込みが出来るじゃない。
将来の顧客になる可能性が増えるじゃない。
鏡割り自体は楽しいんだしよ、あとは中身のレベルをもうちょっと上げてくれって思うんよ。



そんで、これ以下は特定のフォーマットを持ってないものだ。


【冠婚葬祭】
式場でよく見られるのはこの形状のものやね。

旅館とかでたまに見られるんだけどな。
俺は斎場でのこの瓶の目撃率が極めて高いことから、この瓶を葬式瓶って呼んでる。
これもよ、中身は吟醸クラスにしといて瓶の形状はこのままでいいからカラーリングだけ変えて別途名前つけて欲しいよな。
飲食店や旅館用→透明瓶(名称:飲食瓶or通常瓶or透明瓶)
通夜などのお別れ用→緑か茶か黒瓶(名称:見送り瓶、喪瓶)
結婚式→白瓶(名称:祝い瓶)
こんな感じでよ。



【お屠蘇】
これってさ、新酒・夏酒・ひやおろしに続く季節商材にしちゃえば?って思うわけよ。
お屠蘇自体はただの縁起モンだから美味いもんでもなんでもないから、お屠蘇として出せって言うわけでもなくってさ。
鑑評会で金賞をとった酒をめでたい感じの小瓶(180mlくらいの)に入れて売るんだよ。そんで、屠蘇散はおまけとしてつけとく。
『○○年 年賀酒 ○○(蔵名)』でもなんでも良いから適当な名前つけて出せばいいし、形状と名称と中身の様式、それさえ決まっていればそこそこ売れるって。
世間一般に全然認知度の無い鑑評会の酒をここぞとばかりに出せるわけですよ。
鑑評会の権威も上がるだろうし、金賞取った蔵は宣伝にもなるし、その年の良いスタートが切れるから全国各蔵ちったぁ燃えるだろ。そろそろ鑑評会も内輪ネタからの脱却を図ってほしいんですよ。
こういう仕事を中央はやって欲しいところであります。
見てて楽しいしさ。



【おみやげ酒】
お土産の酒は、おみやげ屋に行けば売っているのを見るけど、そういうところでしか特定のおみやげ酒としてのフォーマットを見たことがない。
フォーマットって言っても各地バラバラだから買う方は結構迷う。
カップ酒でも缶でも良いから、定形のもの作って各地域の絵でも書いて特色のある酒を売れば良いと思う。
ま、こんな感じで買う方の迷いを減らす努力があってもいいだろうと思うアルヨ。
(まだ色々書きたいんだが、観光がらみだと1エントリ以上書けそうなレベルなんで省略)



それぞれについてはこんな感じで考えておりますよ。
それとな、これらの目的で買われている酒ってあんまり値段について気にされてないことが多いのよ。
自分用ではなくて人にあげる・振る舞う系の酒ってそこまで金額についてシビアではないのよ。
ちょっと高いほうがありがたい感じするじゃん?
あげる相手には値段こそ言わないけど、自身の気持ちとしてそこそこのもんあげたりすんじゃん?
特に興味が無い層のモノの選び方って、見かけとそれなりの値段だったりするの。
だったらさ、値段上げてでももうちょっとは良い酒入れてフォーマットを統一してあげたらいいんじゃない?って思うわけよ。
慣れが必要な安いオッチャン酒ばっかり入れるんでなくってさ。


そんな感じでよ、日本酒ってフォーマットがあまり無いのに場面場面でよく分からん種類のものがやたらとあるじゃん。
独自色は出そうとするけど「説明とか無くても分かってるでしょ?」前提でおざなりじゃん?
日本酒は日本にあって説明が足りていない状態、すなわち翻訳不足なんよ。
俺はそれをローカライズ不足と呼んでおるわけですよ。
難しい物を簡単にするか、難しいものを理解させる人材を増やそうという働きかけが足りない。


説明不足とは言ってるけど、別に説明を増やせというわけではないのよ。(禅問答みたいだなw)
実際のところな、説明って簡単だろうが難解だろうが極一部の能動層以外は誰も読んでないのよ。
だからそういうわかりやすくする説明を増やせということではないのよ。
俺が言いたいのは、『興味が無い層』には説明はむしろ不要というか、説明がいらない状態“も”作っておくとええんじゃないかってことなんですよ。
俺が上記で挙げた例なら説明無くても理解されるだろ。
説明ってのは何も言葉だけじゃなくて、形状と名称と中身のトータルデザインにも含まれるんだよ。


つまり、それが『興味が無い層』の手に渡った時に、感覚で分かるようなものにしたらどうなんだ?って話なんですよ。分かったか!?あーッ?ゴラッ!




『興味の無い人が買い、興味の無い人が飲む』
おわり。



ローカライズとロビイング』についてはつづく(次回未定)




【うんこみたいな豆知識】
ちなみにcongiroさんは人に酒の味を聞く時「俺、これちょっと苦手なんだけど、あなたどう?」って言います。
すると結構な確率で本心が返ってきます。その人にとって美味しいのか美味しくないのかが分かります。
「どう?おいしい?」とか「俺好きだけどどう?」とかって聞いてその反対の答え「マズイ・キライ」が返ってくることはまず無いです。
本心を聞きたいときは反対意見がプラスになる方で聞いたほうがいいぞ!
反対意見がマイナスになる答えをサラッと言えちゃう人はそんなに居ないからな!
樽酒の振る舞いなんかは酒飲まない人が沢山集まってるからよくそうやって聞いてるんだけど、酒飲み以外からはそんなに芳しい答えは返ってこないのよね。