あのcongiroが、酒と旅と○○を大いに語る!ブログ!

酒と旅と散歩とか日々の記録ブログです

モーソーくんとシャドーちゃん:日本酒を広めたい!

妄想癖のある孟宗くん、見えない敵と闘う遮道ちゃん。
まったく噛み合わない二人が織り成す、心あたたまるハートウォーミングストーリー!

【登場人物】
孟宗 竹志(もうそう たけし)
遮道 穂草(しゃどう ほぐさ)


若井君
というわけで、ボクたちは日本酒という素晴らしい文化を伝えていきたいと思うんですよ!


モーソーくん
うんうん。だよね!


若井君
あっ、着きました!この店です。


カラ〜ン


マスター
いらっしゃいませ。
2名で予約の若井様ですね。


若井君
はい!宜しくお願いします。


モーソーくん
…ん?


若井君
どうしました?



モーソーくん
うわっ!穂草さん、なんでこんなところに!


シャドーちゃん
あ゛〜っ?ぁんだよ居ちゃいけねぇのかよ!


モーソーくん
(しかも酔っ払ってる…最悪だ!)


マスター
あ、お知り合いの方なんですね。
でしたらこちらへ。


モーソーくん
あっ!ちょっ!
ハァ、まぁいいか…


若井君
(モーソーさん!あの方、すごい綺麗じゃないですか!?)ヒソヒソ


モーソーくん
(見た目はね!見た目は綺麗だけどさ…!)ヒソヒソ


〜数十分後〜


若井君
で、さっきの話の続きなんですけど、若い人は日本酒を飲まないじゃないですか!


モーソーくん
うんうん、だよね。


若井君
だからボクも何かできることをしたいなって!
いつも考えているんですけど、どうしたら飲む人が増えるか分からないんですよ!


モーソーくん
うんうん、分かるよ。それは僕も悩みのタネだよ。


若井君
でですね、あれこあーしてこうしてうんぬんかんぬん…


モーソーくん
うんうん!そうだね!


シャドーちゃん
アーハッハッハッハ!


モーソーくん
ビクッ!なんですか!?


シャドーちゃん
あ゛〜、オメェにゃ用はネェよ!ドカッ!(水月


モーソーくん
ぬぐぅッ!(気絶)


若井君
あ、あの…


シャドーちゃん
いいんだよ!ほっときな!
で、なんだって?日本酒を広めたい?


若井君
あ、ハイ。そうなんです。


シャドーちゃん
じゃあ〜、あんたの考えてること言ってみなよ〜。


若井君
あ、はい。
これこれこうしてあーして…


シャドーちゃん
アハハッ!


若井君
なんですか!?


シャドーちゃん
アハハ〜!それで増えると思ってるの〜?
ゴメンネ、全ッ然魅力無いわ!


若井君
なんでですか!何でそんなこと言い切れるんですか!?
いきなりそんなこと言うのおかしくないですか!!!


シャドーちゃん
じゃぁさ〜、アナタさぁ〜、ワタシを〜。
ワタシを今口説いてみてごらん?


さぁどうぞ〜。


若井君
さぁどうぞ…って、どうすればいいんですか?


シャドーちゃん
どうすればって、ワタシをその気にさせてみなよ!
ほら〜(手を握って胸につける)


若井君
わっ!わっ!(赤面)
だっ!だめですよ!こんなことしたら!
そ、それに日本酒と関係ないじゃないですか!


シャドーちゃん
あ〜?何で関係ないの〜?
見知らぬ人に自分の魅力を伝えることと、あんたがやろうとしてること何が違うの〜?


若井君
!!!


そ、それは…でも…。


シャドーちゃん
でも〜!じゃないでしょ?
アナタの魅力は何ですか?ワタシをどう楽しませてくれますか?


あ、マスター!なんかオススメの燗ヨロシク〜!


マスター
はーい!


若井君
ぐ…確かにその通りです。
では、逆に聞きますけど、あなたはボクを口説くことが出来るんですか?


シャドーちゃん
アハハッ!見かけによらずエッチね〜!
できますよ〜できますとも〜!
おねぇさんをナメちゃいけませんよ〜!アハハ!
ネッ!(チュッ)


若井君
だっ!だめですよ!そんなの卑怯ですよ!(赤面)


シャドーちゃん
ん〜?なんでぇ〜?
でも悪い気はしないでしょ〜?


若井君
(確かにそうですけど)でも、なんかそういうのは…!


シャドーちゃん
ビシッ!(指差す)
オイッ!少年!いや、青年?オメーは甘ぁ〜いっ!
あのね〜?日本酒を広めたいって気持ち、それはワタシにもわかるよ?
でもね、日本酒ってのは、アナタの自己承認のための道具ではないの!わかる?


若井君
うっ…!!!


シャドーちゃん
ねぇ、アナタは日本酒を楽しんでる?
楽しんでますか?


若井君
そ、それは、もちろんです。


シャドーちゃん
最初はむじゃきに楽しんでたのにぃ〜。
それがぁ、いつのまにかぁ、義務みたいになってぇ、い・ま・せ・ん・か?(つつく)


そんな人の言葉を〜、誰が〜、聞いてぇ、く・れ・ま・す・か?



若井君
!!!


…でも。


シャドーちゃん
ん〜?なに〜?



若井君
だ、だとしたら…
ボクにはできることがありません!(涙目)


シャドーちゃん
アッハハハハ!


できるさ〜!
やることは〜!シンプルでーす!ヒック!


若井君
そ、それは?どうすればいいんですか?


シャドーちゃん
やることは2つ!ビシッ!(2本指)


まずは…

アナタが、日本酒を好きで居つづけること!


若井君
えっ?


シャドーちゃん
そしてもうひとつは…


ずっと日本酒を話題にし続けること。


これだけで〜す!


若井君
えっ?それだけですか?


シャドーちゃん
そう、それだけ。
でもたぶん、今のアナタはできてないの。


ずっと好きで居つづけて、それを話題にし続けること!
それができたら、その思いはちゃんと伝わるから。



人を幸せにするには、まず自分が幸せであること!


あー、おねぇさん今いいこと言ったよ〜!



若井君
…はい。


とても良いこと言っていただきました。(涙目)


シャドーちゃん
何しんみりしちゃってるのよ!
飲みな飲みな!ドボドボ!


若井君
うわ!こぼれてますって!


シャドーちゃん
吸っちゃえ〜!


若井君
え〜!?まじですか?


え〜い!ズズズズズズ!


シャドーちゃん
アハハハ!マジでやってるし!


若井君
あはは!


シャドーちゃん
楽しいね〜!


モーソーくん
ヒューッ、ヒューッ…
やっと、やっと、回復してきたぞ…!


若井君
あ、孟宗さん!今日はありがとうございました!
おかげで楽しい一日でした!


モーソーくん
へっ!?
僕、そんなに喋ってないよ!?


シャドーちゃん
アハハッ!オメーは用無しなんだよ!


モーソーくん
そんな!


若井君
じゃあボク、今日は帰りますね!
どうもありがとうございました!


シャドーちゃん
あ〜、私も楽しかったよ。アリガトね。


アナタ一人の声は小さいかもしれないけど、ちゃんと伝わるから。ね。


若井君
はい!がんばります!!!


モーソーくん
そうそう!
ひとりひとりの力は小さくても『枯れ木も山のにぎわい』って言いますしね!


シャドーちゃん
うっわ!最悪!
「言いますしね!」じゃないよ!死ね!ドカッドカッ!(水月2連)


モーソーくん
ムゴー!(のたうち回る)


若井君
あはは!
今日は本当にありがとうございます!



…あ、あと、おねえさん!


シャドーちゃん
なぁに〜?


若井君
またいつか、口説かせて下さい!


シャドーちゃん
アラ!?アハハッ!
今でもいいのよ!


でも、待ってるわ。フフッ…



若井君
はい!おやすみなさい!


シャドーちゃん
じゃね〜
バイバイ




カラ〜ン






シャドーちゃん
楽しむ…か。


マスター
ですよ。


シャドーちゃん
そこでのたうち回っているバカ、ホントどうしようもないけど…
楽しむことだけは私よりできてるんだよな〜。


マスター
ハハ、ですね。


モーソーくん
うぐ〜!


シャドーちゃん
よしっ!マスター、もう一本つけて!


マスター
はい、かしこまりました。


シャドーちゃん
ほら、いいかげん起きろよ、酔っ払いじゃあるまいし…。


モーソーくん
ひ、ひでぇ…(涙)



〜おわり〜