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雪国 特別純米酒 ひやおろし:綱渡りの酸味(踏み外してる気もするけど)


長野県は南佐久郡の黒澤酒造が造る日本酒ですな。


飲んだこと無い蔵のひやおろしという、俺がなかなか手に取らない条件。

だけど、近所で売ってたのでなんとなく購入。




味。
常温で飲んだ時の第一印象は「お、酸味が良いじゃない」だった。
偶然にも先日の巖にも共通する質の乳酸菌系な酸味。
そういうのもあって「ひょっとして、これも数日で苦渋になったりしねーよな?」と思いながら数日経過。
けど、苦みはそこまで出ず、渋味はそこそこ増加。
それよりむしろ酸味が増した気がする。
ボディが細めなので、単純に渋味酸味が前に出てる。
それもまぁ、そこまで強烈ではないから飲みにくさは特に無いけども。
俺的には全然問題無いけど、完全に酸っぱい系に属する酒ではなかろうかね。


う〜ん、これってまさに俺が考えてるところのひやおろしの特徴だよな〜。


ちなみにこれ、出荷は9月で俺が買ったのは最近だから、3ヶ月は経ってる。
その間は未開封であったけど、その間に恐らく味は進んでいるはず。
開けてからの変化のスピードが極端に早いところもそう思わせる一因。


んで、燗で飲んでみたのだけど、温度によっては悪くない。
高めに燗すると、この酸味から腐敗的な要素(気にならん人は気にならんレベル)がチビっと見え隠れする。
燗がやや冷めると、ちょっと抜けた感じがするが、上っ面の酸味は落ち着く。
完全に冷めきると濾過感っぽさが強調されて渋味と苦味が出てくる。これはあんま好みじゃない。
高めに上げるなら冷めきる前に飲んでしまった方がいい気がする。
というか、燗は低めにしたほうが良さそう。
でもまぁ、温度での味の変化が大きいからヒヤの方が安定して飲めそうっすな。
そんで、アルコール感は飲んだ後から結構くるような。
飲んだ瞬間に口の中に広がるアルコール感ではなくて、飲んだあとにじわーって感じる。


う〜ん、何と言うか、一番好まれる時期に口開けからガーッて飲んじゃえば佳作以上の扱いされそうな酒って感じはする。
正直なところ全く期待してなかったのだけど、なかなかに美味いと思った。
食中酒としては場面を選ぶけど、塩で味付けたシンプルな肉料理とかには向く感じ。


未開栓でもかなりのスピードで変化しているであろうこと、開けてからも変化が早いこと、温度による味の変化の幅が大きいこと。
この辺はまぁ日本酒らしいっちゃ日本酒らしいのだけど、単純に開栓のタイミングだけで評価分かれそうな酒だなぁと。
日本酒の趣味性真骨頂のひとつである『自分で美味いタイミングを探さなくてはならない』がかなり存在しておる酒です。


でも俺は、毎年このクオリティで出してくれるんなら、また買っても良いかもという気にはなっとります。
ただ、この数日経った後の酸味に関しては、どんなもんやろか?う〜ん…ってな感じ。





【追記2014/01/20】
これはひやおろしでなくても良かったのではないかと思う。
だが一方で、ひやおろしであったが故のプラスの特徴はよく出てる。
同じくらいマイナスの特徴もよく出てるから、ちょっとう〜んって感じなのだけど。


分厚い酒ではないので酸味が際立つ。
不快では無いものの、元の魅力にかぶさる感じで酸味が乗っかってくるので、それに関しては良い物ってわけでもない。
これ以上酸味が増えなかったらかなりの出来だなーと思ったけど、これはなかなか難しいかな。


機会があったらひやおろしでない特別純米を飲んでみたいところ。
少なくともそう感じさせる魅力は十分ある。



【追記2014/02/10】
最後、0.5合くらい残っているやつをそのままの温度で飲んだ。
苦味はほとんどアクセントレベルにしか感じず、本体の持つ味が凝縮されたようにも感じた。
最後のちょっとだからかもしれないけど、ものすごく美味かった。