山形県は村山市の高木酒造が造る日本酒ですな。
高木酒造って言ってもあんまピンと来ないと思うけど、十四代の蔵っていえば分かるかね。
全体像。
東京だとほとんど見ることないと思うけど、山形だとスーパーとか土産物屋レベルでフツーに置いてある。
十四代も言うほど飲んだこと無いけど、これは普通に買えるのでじっくり飲めますな。
まずは、常温にて。
・・・?
・・・!?
ん〜????
なんだろ、一般的なよくある本醸造とちがって、イマドキ風の吟醸香がそこそこあって、それはそれこそ多くの人が好きそうな感じだけど。
なんか中味の無い甘めで薄苦い酒っつー印象しかない。
燗したら伸びるんかな?
・・・うへっ、これはダメだ。
スカスカ炭系ですわ。
え〜?これ、ダメなんじゃないの?
う〜ん、こういうの造るんかな〜?
それともこの年のがたまたまなんかな〜?
ひょっとしたら、これは冷やし専門の本醸造なのかね?
と思って、小瓶に移して冷やしてみた。
で、飲んだんですけどね。
あー、そういうことか。
うん、いいですね。冷やして飲むことが前提の酒ですな。
この温度で飲む限りは相当よく出来てる。
冷やすとバランスが完成されて、食べ物の邪魔はしないあくまで控えめな主張の日常酒になる。
こう言って伝わるのか分からんけど、蕎麦屋でよく見かける3000円台の吟醸酒に頑張って近づけてる感がある。
とは言ってもこのスペックだし、そんなに厚みは無いけどね。
頑張ってる感は非常に感じるっつーことですわ。
必ずしも俺の得意な系統の酒ではないのだが、これはよく出来てるのんじゃないかな?
しかし、これは裏ラベルに「冷やして飲め!」と書いた方がいいような気がするがな〜。
売ってるところはほぼ常温陳列なのよね〜。
濾過が起因なのか?って感じの炭苦味がチョイとあるのはアレだけど、まぁ安いし、このレベルの酒が2000円以下で安定供給できてるってのはやっぱ高木酒造の成せる業なのかもしれんね。
なんかよく分からんけど、-5〜6度のチルドルームに入れてたら、他の酒は何ともなかったけどこれだけ一部凍っていたのよね。(アルコール度数は他もあんま変わらんのに)
すると、凍ってない部分は味が濃くなるわけで、それで飲むとちょっと良かった。
凍った部分は薄々酒なんだけど、それもちょっと良かった。
この酒は開栓後日の苦みの出現がちょっと早い気がするので、普通に冷やして飲むよりガチガチに冷やしたこの飲み方が好みかもしれん。