あのcongiroが、酒と旅と○○を大いに語る!ブログ!

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congiroが大いに語る!日本酒2011年

※画像と内容は無関係だぞ

大晦日ですね。
斜陽ドリンク日本酒愛好家の皆様こんにちは。


カウンタもつけてないし、宣伝もしてないからよく分からんけど、
おそらく5人くらいの読者の方、いつも読んでくださってどうもありがとうございます。
あのcongiroが大いに語る、年末総決算でございます。



【今年の日本酒BEST3】
1位:金冠黒松 協会八号酵母
http://d.hatena.ne.jp/congiro/20111114
1位:国権 特別純米、山廃純米
http://d.hatena.ne.jp/congiro/20110523
3位:美冨久 山廃仕込純米熟成酒
http://d.hatena.ne.jp/congiro/20110530


1位が2つ。
これは迷った。マジ迷った。
最初は国権かな?と思ってたのよ。東北支援的に。
でも村重酒造に行ったらやっぱ金冠黒松かな?と。
そういう『贔屓目』を全てカットしたら同着になった。


1位の金冠黒松 協会八号酵母
これの良さはマニアックな味わいながらも毎日飲める日常性。
そして、1890円という2000円を下回る価格でありながら、この斬れ味!
ラベルもカッコイイし、味も素晴らしい。
これは企業努力をものすごく感じる一本だ。
2000円を切る酒でこれを上回る物は存在しないって言い切っていいほどの酒。
て言うか素直にどストライクでさ、もうね、好きすぎて10本くらい買ったよ!



同着1位の国権 山廃純米。
これは前者の金冠黒松と違いフラットな酒。
しかしな、これって老若男女ビギナーマニア全てこれを飲むという感じの幅の広さを感じるのだ。
そして山廃と言えばドスン!みたいなところも無く、ただスルっと美しく落ちていくんだ。
これは俺が飲んだ日常酒としては、とにかく非の付け所のない完成度で、
2580円とそこそこの値段であるが、全ての要素がここにあるってな感じで、
堂々の同着一位でございます。



問題は3位の美冨久 山廃仕込純米熟成酒。
俺、この3位の日本酒を年間ベストというほど褒めてないと思う。もちろん貶しても無いが。
なんでこれを3位にしたかっていうとだ、やっぱ日常性の高さと値段の安さなんだ。
マニアックな熟成酒にして2100円という手ごろ感。
そしてあえての透明瓶。これが酒の美しさを知らしめるのに一役買っている。
この蔵は三連星の方が有名だと思うんだけど、こちらの方が俺の好みなのだ。
熟成酒だから万人向きではないし、熟成酒としては浅い部類ではある。
だが、そんなマイナスイメージを跳ね除ける軽快さを褒め称えたい。
なんと言うか、『かわいいばあちゃん』のような、そんなチャーミングな熟成酒ですよ。



というわけで、俺ランキング1位は東と西の横綱ワンツーフィニッシュでした。
3位がちょうど地理的にも真ん中くらいの位置ですな。
バランスいいね。





【それでも、俺が日本酒を好きなのはなぜなのか?】
日本酒の試飲会を見てみよう。
若者ほとんどいないよ?
何でだと思う?
普通の居酒屋で日本酒飲んでる人どれくらい見かける?
ほとんど居ないよね?
海外で日本酒ブーム?大人気?本当かい?どこの海外だね?
俺が行った先で見たことは一度たりともないよ?
日本酒が体にいい?
アル中なんて言葉があるのに?
二日酔いなんて言葉があるのに?
酒での失敗談なんぞ、いくらでも転がってるよね?
それでも体に良いの?
体に良いのに運転したら捕まるのは何で?
アレルギー持ってる人も居るよね?
酒が原因の悲劇はたくさんあったよね?
どう見ても体には良くないよね?



それなのに、なにをもって日本酒の良さを伝えようとしているの?伝統だから?
単純に「おいしい」だけでは伝わらないんだったら、
そこに何かしらの理由があるとか考えたりしないか?



ま、そんな感じでね。
明るい要素って酒粕くらいしかない日本酒業界なんだけど、
俺はそんな日本酒が好きだし、いや愛しているんだ。



そこでふと思うのだが、何で俺って日本酒が好きなのだろう?とね。


なんでだろう?
酒飲みでもない下戸だった俺がなぜ?
なぜ日本酒にハマってしまったのだろう?


その理由は、ただ一つ。


これだけ面白い飲み物は日本酒しかないからだ。
これだけフリーダムな飲み物は恐らく日本酒以外に無いからなんだ。



そのまま飲んでもいい。
冷やして飲んでもいい。
温めて飲んでもいい。
氷で割って飲んでもいい。
炭酸で割って飲んでもいい。
ブレンドして飲んでもいい。
果実酒にしてもいい。
新しくてもいい。
古くてもいい。
料理に使ってもいい。
ラベルがたくさんあるのがいい。
種類がたくさんあるのがいい。
各県ごとの特色があるのがいい。
蔵ごとの特色があるのがいい。
杜氏に流派があったりするのもいい。
米と酵母の組み合わせで無限の可能性があるのもいい。
毒にもなるし薬にもなるのがいい



そして何より
美味かったり、不味かったり、好みだったり、好みでなかったり。
物による違いがハッキリ出ちゃうのがいい。
0点の酒があるし、100点の酒もある。
そんなレンジの広さがいい。


こんな楽しい飲み物を自分の内だけに秘めとく必要はないだろう?
みんなね、もっと楽しそうに飲んだらいいんだよ。


なんで難しそうなこと考えて飲まなきゃいかんの?
難しそうな雰囲気は伝播するよ。
それで日本酒が流行らない事を嘆くのは、失笑レベルの与太だろ。


本格派の飲み手や蔵人の一部には、
俺のような『酒で遊んでいる』人間を快く思わないのは事実だろう。
だが日本酒にルールを強いる器量の小さい偏屈野郎の言うことなんか聞かなくて良いんだぜ。
日本酒とは元々自由なものなんだよ。



もちろんルールやマナーがあってもいいとは思う。
しかし、それは各個人が己自身に課すものであってな。
そもそも日本酒に自由が無いのであれば、市場に存在することがおかしいのだ。






最後に、久々の名言で今年を締めたいと思う。
プロ野球選手、新庄の発言を勝手に改変したものだ。



「日本酒の存在意義は、人々の暮らしが少し彩られたり、単調な生活がちょっとだけ豊かになることに他ならない。」



日本酒ってのはね、日常をちょっとだけ豊かにするようなツールであればいいと思うのよ。
ボクサーみたいなストイックな飲み方を強いるんじゃなくてさ、もっと楽しく飲もうぜ。



ま、そんなわけで来年も楽しく飲みたいと思います。
それでは皆さん良いお年を!



原文はこちら

プロ野球の存在意義は、その街の人々の暮らしが少し彩られたり、単調な生活がちょっとだけ豊かになることに他ならない。ある球団が中心で物事を進ませるセ・リーグにはない、野球くささをパ・リーグはもっている」